徳洲会グループとの新たな挑戦

「お元気ですか?」そう声をかけると、104歳のおばあさまは穏やかな笑顔で応えてくださいました。1920年生まれのおばあさまは、耳もしっかりと聞こえ、私たちの問いかけに丁寧に答えてくださいます。家族が作ってくれたアルバムに目を通すと、おばあさまの幼少時から青春時代、ご主人様との結婚生活と、これまでの人生が詰まった思い出の数々を見せてくださいました。毎日夕方には、このアルバムを大切に眺めているそうです。

心を通わせる介護の実現に向けて

このたびKAIGO VIETNAM株式会社は、医療・介護分野で50年以上の実績を持つ徳洲会グループと人材供給契約を締結いたしました。本契約により、当社はベトナムの優秀な人材を特定技能制度を活用して育成し、徳洲会グループの介護施設への人材供給を本格的に開始いたします。

徳洲会グループは、「いのちだけは平等だ」という創設者の徳田虎雄氏の理念から始まりました。幼少期に離島で医療機関へのアクセスが困難で、弟を亡くされた経験から、全ての人に平等な医療を提供したいという強い想いで設立されたそうです。そのため、「年中無休・24時間オープン」「患者から一切の贈り物を受け取らない」「各離島には病院を1施設以上の設置」等、理念に沿った施設の行動指針を徹底されています。

当社会長が施設内を訪問した際、冒頭の出会いに加え、83歳と87歳の元気な入居者様とも交流させていただき、その明るい笑顔に私たちも心が温かくなりました。自分を世話した介護士の特徴を細かく覚えておられ、とても活力に満ちた方々でした。ちなみに、この施設の入居者様の平均年齢は90歳とのことです。

104歳のおばあさまとの出会いは、言葉の壁を超えて心が通じ合える介護の素晴らしさを私たちに教えてくださいました。こうした交流を通じ、当社の学生たちには、入居者様お一人おひとりの人生に寄り添える介護士になってほしいと願っています。

今後も当社は、徳洲会グループとの連携を通じて、2025年に向けて深刻化する介護人材不足の課題解決に取り組むとともに、ベトナムの若い人材に質の高い教育機会を提供し、日本の介護現場に「心」のこもったケアを届けてまいります。